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肝内または肝外門脈-体循環シャントを抱える犬の血液検査結果を比較した研究

投稿者:武井 昭紘

先天性の肝内門脈シャント(congenital intrahepatic portosystemic shunt、IHPSS)の犬では、肝外門脈シャント(congenital extrahepatic portosystemic shunt、EHPSS)の犬と比べて、消化管の炎症・潰瘍・出血が起こりやすいとされている。そこで、疑問が浮かぶ。炎症・潰瘍・出血で赤血球が失われるとするならば、IHPSSとEHPSSの症例を血液検査の結果で判別することができるのではないだろうか。

 

冒頭のような背景の中、アメリカの大学らは、IHPSSの犬26匹およびEHPSSの犬3匹を対象にして、彼らのCBCを実施する研究を行った。なお、実施時期はシャントの治療前としている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆①IHPSSまたは②EHPSSを抱える犬のCBC◆
・貧血は①の31%、②の6%で起きていた(有意差あり)
・赤血球のサイズが小さくなる現象は①の77%、②の29%で起きていた(有意差あり)
・血色素の欠乏は①の77%、②の49%で起きていた(有意差あり)
・②(41%)に比べて①(34%)のPCVは有意に低かった
・②(13.7g/dL)に比べて①(11.5g/dL)のHbは有意に低かった
・②(65fL)に比べて①(57fL)のMCVは有意に低かった
・②(33g/dL)に比べて①(32g/dL)のMCHCは有意に低かった

 

上記のことから、①または②を抱える犬のCBCには相違点があることが窺える。よって、今後、①や②を診断する補助ツールとして、CBCによる判定法が確立されることを期待している。

①の81%、②の34%に消化器症状が認められたとのことです(有意差あり)。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38699882/


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