「ドクターグーグル」。
医療関係者ではない人物がインターネットを介して医療に関する知識を得る行為をこう呼ぶ。目的は、不必要に医療機関にかかることを避けるため、診察前に事前情報を入手し医療従事者と対等に渡り合うため、診察後に医療従事者の言動の真偽を確かめるためなど様々である。無論、間違っている情報が氾濫するインターネットを過信することは危険なのだが、それでもヒトを利便性の高いインターネットを利用しようとするだろう。そこで、疑問が浮かぶ。このドクターグーグルは、小動物臨床においても発生しているのだろうか。発生しているとするならば、どれくらいのオーナーが実施しているのだろうか。
冒頭のような背景の中、ヨーロッパの大学らは、オーストリア、デンマーク、イギリスで犬猫を飼育するオーナー2100名以上を対象にして、オンラインアンケートを依頼する研究を行った。なお、同研究で採用されたアンケートは、ドクターグーグルとオーナーの信念との関連性を明らかにすることを目的にしている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆ヨーロッパの小動物臨床におけるドクターグーグルの現状◆
・診察後より診察前にドクターグーグルを実施する可能性が高かった
・3分の1のオーナーにドクターグーグルの経験が無かった(診察前約32%、診察後37%)
・最も一般的なリソースは獣医学関連の情報をアップする数多のサイトであった(約55%)
・次いで動物病院のWebサイト(35%)、獣医師会のWebサイト(24%)であった
・インターネット上の情報を得ることで獣医師と渡り合えると思っているオーナーは診察前にドクターグーグルをした
・診療方針の決定にインターネット上の情報が役立つと思っているオーナーは診察後にドクターグーグルをした
上記のことから、大学らはオーナーにインターネットの利用の有無について「積極的に」聴き取る必要があると述べる。また、ドクターグーグルの3分の1(35%)が動物病院のWebサイトをリソースにすることから、そのWebサイトに掲載する情報は正確で信憑性のあるものにすることが重要だと訴える。読者の皆様が担当する犬猫のオーナーはドクターグーグルをしているだろうか。もししているならば、その情報の正確性や影響力を加味して、オーナーと慎重にコミュニケーションをとって頂けると幸いである。

インターネットの利用の有無について聴き取る場合は、出来得る限り詳細に情報元を特定するようにしましょう。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38966565/


