何らかの病気に苦しむ動物のQOLは低下することが知られている。しかし、彼らはその苦しみをヒトが理解できる言葉にして表現することはできない。そのため、小動物臨床ではQOLの低下を察知する客観的な指標が求められているのだ。
冒頭のような背景の中、ドイツのユストゥス・リービッヒ大学ギーセンは、甲状腺機能亢進症の猫とそのオーナーのQoL(健康関連QoL、HRQoL)を評価するツールの開発を試みる研究を行った。なお、同研究で使用されたツールは25の質問をオーナーに投げ掛けるもので、各質問(イベント)の発生頻度とQOLの影響力を聴き取るように構成されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆甲状腺機能亢進症の猫のQOLを評価するツールの有用性◆
・①甲状腺機能亢進と診断された猫220匹以上が参加した
・②甲状腺機能亢進症ではない猫320匹以上が参加した
・評価は0〜382点の幅でスコア化された
・スコアが低いほどHRQoLは良好であった
・①のスコアの中央値は87.5点であった
・②は27点であった
上記のことから、②に比べて①のHRQoLは悪化していることが分かる。よって、今後、このスコアを低下させる治療法について議論され、猫の甲状腺機能亢進症の管理が見直されることに期待している。

①のスコアは2~348点、②のスコアは0~249点で推移しており、甲状腺機能亢進症を患っていてもHRQoLが良好な症例が存在します。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38647174/


