犬猫が異物を誤食した時に異物を摘出する時、2つの治療法が検討される。それは、消化管切開術と内視鏡摘出術だ。しかし近年、もう一つの方法が報告されている。それが、開腹術と内視鏡検査を組み合わせた異物摘出術で、消化管の切開はしないが開腹して異物の位置を正確に視認して内視鏡で的確に異物を摘出する手技として注目されている。この手技には利点がある。的確に異物を摘出することは勿論のこと、消化管の切開を行わないという侵襲度を抑えた手技が疼痛を最小限にし、鎮痛薬の投与量を抑えるのである。実に理想的な治療法だ。そこで、疑問が浮かぶ。このように文章化するれば至極理想的であるが、これらの効果は実際の臨床現場で実感できる程に大きいものなのだろうか。
冒頭のような背景の中、イタリアのボローニャ大学は、消化管内に異物が確認された犬猫80匹以上を対象にして、①開腹術と内視鏡検査を組み合わせた異物摘出術(40例)と②消化管切開術(41例)の効果を比較する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆①と②の効果◆
・①の約88%で異物を完全または部分的に摘出できた
・残りの症例は消化管壁の損傷を理由に②に変更された
・②に比べて①の術後の入院期間は有意に短かった
・②に比べて①では疼痛管理の必要性が有意に軽減された
・②に比べて①の術後における食餌の再開が有意に早かった
・合併症のリスクは両群で差異は認められなかった
上記のことから、①は術後の管理を簡素化し、開腹を早める効果を有していると考えられる。よって、今後、①を実施するにあたりその手技が体系化され、異物摘出術の治療成績が向上していくことを期待している。

異物がある場所、異物の特性は①の実施可否に影響を与えなかったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38922967/


