脊髄空洞症(Syringomyelia、SM)は、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(キャバリア)に良くみられる神経系疾患で、同品種の実に39~46%が罹患すると言われている。そのため、オランダでは2002年、デンマークでは2015年より、繁殖に供する個体のスクリーニング検査が行われているのだそこで、疑問が浮かぶ。この繁殖計画の見直しは、キャバリアにおけるSMの有病率を左右しているのだろうか。
冒頭のような背景の中、オランダの大学および動物病院らは、オランダで暮らすキャバリア2100匹以上を対象にして、彼らのMRI画像を解析する研究を行った。また、同品種の親子関係にも注目しており、SMを発症した、あるいは、発症していない親から生まれた子がSMを発症するリスクについても算出されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆繁殖計画の見直しとキャバリアのSM◆
・年齢が高い個体(繁殖計画の見直しの影響が少ないであろう個体)程、SMを発症する可能性が高かった
・2010年~2014年の有病率は38であった
・2015年~2019年の有病率は27%であった
・SMを発症したオス・メスの交配で生まれた個体がSMを発症する確率は、発症していないオス・メスの交配で生まれた個体の確率よりも約3倍高かった
・SMの発症と性別には関連性がなかった
上記のことから、繁殖計画の見直しは一定の効果をあげていることが窺える。また、SMを発症した個体を繁殖に用いることは非常にリスクが高いことも分かる。よって、今後、繁殖計画の見直しが継続され、年を経るごとに有病率が減少していくことを期待している。

大学らは、3歳を過ぎたキャバリアを飼育する世帯に対して、スクリーニング検査としてMRI検査を検討することを推奨しております。
参考ページ:
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2024.1326621/full


