犬や猫の消化管内寄生虫の一種である犬回虫・猫回虫はヒトにも感染し、時に重篤な症状(トキソカラ症)を引き起こす。そのため、このトキソカラ症の実態を把握し、予防医学を世間に浸透させることは大変に重要とされているのだ。
冒頭のような背景の中、イギリスの大学らは、世界各国でヒトのトキソカラ症が発生した場合、具体的には血清学的な陽性率が世界平均の19%であると仮定した場合における障害調整生存年(Disability-Adjusted Life Year、DALY)を算出する研究を行った。なお、DALYとは、ある病気や障害などによって失われる、健康的な生活が送れたはずの年数のことである。すると、1年間で91714 DALYが失われ、そのうちの約55%(50000 DALY以上)は子供の認知機能の障害によるものだということが判明したという(成人に起きる眼や内臓の幼虫移行症はより少ない)。加えて、ヒトが回虫類に感染すること(血清学的に陽性になること)は、その国における犬猫の回虫感染率と正の相関関係があることも分かったとのことである。
上記のことから、犬回虫・猫回虫に対する予防医学が徹底されないと、ヒトの健康的な生活が脅かされることが窺える。よって、ヒト、特に子供に健康被害が起きないように、ペットの消化管内寄生虫の予防を推進、継続することが望ましいと思われる。

感染者の医療費高騰と収入の減少によって、各国は1年間に25億ドル(約8900億円相当)の経済損失を被るとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38872976/


