隣接するリンパ節に転移をする腫瘍の診断では、そのリンパ節のFNAや生検が行われる。無論、これはリンパ節への転移、そして腫瘍細胞の種類を推定するために実施されることだ。しかし、疑問が残る。転移という性質を持つ腫瘍細胞だからといって、必ずリンパ節に転移するのだろうか。また、リンパ節に存在する細胞を頼りにすれば、必ず正確な腫瘍の診断ができるのだろうか。リンパ節に纏わる検査結果は、鵜呑みにできる程に信憑性が高いものなのだろうか。
冒頭のような背景の中、イタリアの大学および研究所らは、小腸のリンパ腫と診断された猫100匹以上を対象にして、彼らの病理組織学的検査のデータを解析する研究を行った。なお、同研究に参加した症例には、小腸の全層生検と腸間膜リンパ節の切除が同時に実施されている。また、反応性リンパ節が確認された症例では、クローナリティー検査が追加されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆小腸にリンパ腫が発生した猫におけるリンパ節の検査とその精度◆
・約43%の症例のリンパ節に腫瘍細胞が認められた
・大細胞性と小細胞性にリンパ腫を分けると、後者の70%以上においてリンパ節内に腫瘍細胞は確認できなかった
・クローナリティー検査をした症例の約63%で「反応性」が確定できた
上記のことから、腸間膜リンパ節の検査に頼り切りになると、猫の小腸に発生したリンパ腫の診断精度が落ちることが窺える。よって、腸間膜リンパ節の精査は、小腸の病変部(リンパ腫を疑う場所)の精査と組み合わせて、双方の結果を総合的に判断することが望ましいと思われる。

リンク先の論文には免疫組織学的検査の結果も記載されておりますので、ご参照下さい。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38858174/


