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麻酔が掛かった猫の血圧測定におけるカフと心臓の位置関係に関する研究

投稿者:武井 昭紘

動物の麻酔管理において、多くの獣医師が血圧をモニタリングする。この時、一部の獣医師は注意を払う。動物の心臓と血圧測定用のカフの位置を水平にしようと。そこで、疑問が浮かぶ。水平にしないと何が起きるのだろうか。血圧が正確に測れないという一説は正しいのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ケンブリッジ大学は麻酔を掛けた猫29匹を対象にして、彼らの血圧をPetMAPという機器で測定する研究を行った。なお、同研究ではカフの位置を調整しており、①心臓と水平、②心臓よりカフが5cm下に位置、③心臓よりカフが5cm上に位置の3点を設定している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆猫の血圧測定におけるカフと心臓の位置関係◆
・①と②で測定された血圧には差異は無かった
・①に比べて③で測定された血圧は有意に低かった
・その差は前肢で8.2(2.5~14)mmHgであった
・後肢で6.5(3.0 – 15.0)mmHgであった
・①②③ともに後肢の血圧は前肢よりも有意に高かった

 

上記のことから、心臓より5cm上にカフが位置していると、血圧が過小評価されることが分かる。よって、麻酔中の猫の血圧測定ではカフと心臓の位置に注意を払うことをお薦めする。また、前肢と後肢の血圧に有意差があることから、同一個体の麻酔管理の途中において、カフの装着部位を前肢と後肢でスイッチすることは望ましくないと思われる。

前肢の血圧は①で103±21mmHg、②で107±22 mmHg、③で95±20mmHg、後肢の血圧は①で112±26mmHg、②で116±26mmHg、③で106±22mmHgだったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38759724/


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