ある研究によると、胸部に外傷を負った猫の予後は不良だという。つまり、その不良を上向きにさせるために、外傷の程度を正確に把握し、必要な治療を施すことが重度だと言えるのだ。では如何にして、外傷の把握と治療の必要性を判断することが望ましいのだろうか。
冒頭のような背景の中、イギリスの動物病院らは、胸部に外傷を負って、且つ、胸部のCT検査を受けた猫の診療記録を解析する研究を行った。すると、複数の診療施設から130件以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆胸部外傷を負った猫のデータ解析◆
・症例の69%が交通事故に遭っていた
・身体検査で得られる主な異常所見は頻呼吸(32%)、粘膜蒼白(22%)、呼吸困難(20%)であった
・症例の33%には身体検査で異常はなかったがCT検査で異常が検出された
・胸部CTで得られる主な異常所見は無気肺(34%)、肺挫傷(33%)、気胸(29%)、胸水(20%)であった
・最も多く適応された治療は胸腔穿刺(12%)であった
・次いで胸腔ドレーン(7%)が続いた
・外傷など胸部の身体検査における異常所見の数が多いほどCT検査で異常がみられる可能性と治療の必要性が増した
上記のことから、外傷を負った猫の胸部の身体検査で異常所見が確認された場合は、CT検査を検討することが望ましいと思われる。また、身体検査で異常が無くとも、X線検査や超音波検査も含めた画像診断(CT検査が理想かも知れないが)をオーナーに提案することは大切だと考えられる。よって、胸部外傷の猫が来院した時をイメージして、所属する動物病院としての対応を事前に話し合っておくことをお薦めする。

身体検査で異常はないがCT検査で異常が見付かった症例の約13%は治療が必要な状態だったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38415622/


