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先天性の循環器疾患PDAと診断された猫の転帰を追跡した研究

投稿者:武井 昭紘

犬の先天性循環器疾患の一つとして広く認識されている動脈管開存症(patent ductus arteriosus、PDA)は、猫にも起き得るという。そこで、疑問が浮かぶ。猫のPDAにみられる臨床検査所見とは何であろうか。また、犬と同じく外科手術を適応することで、経過は良好になるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ドイツの動物病院は、過去10年間に超音波検査にてPDAと診断された猫17匹を対象にして、臨床検査所見をデータ化し、経過を追跡する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆PDAと診断された猫の臨床検査所見と転帰◆
・全例で心雑音が聴取された
・症例の80%以上(15匹)で中程度の雑音(6段階評価)が聴取された
・約59%(10匹)で収縮期および拡張期に跨る心雑音が聴取された
・約41%(7匹)で収縮期雑音が聴取された
・超音波検査では大部分の症例にLVIDdおよびLVIDsが参照値を大幅にオーバーしていた
・動脈管の最大径は3.4±1.08mmであった
・動脈管内の血流速度は5.06m/s(2.6~6.4m/s)であった
・外科手術を受けた13例全てが無事に退院した

 

上記のことから、連続性雑音または収縮期雑音が聴取できる猫の診察では、鑑別リストにPDAを盛り込むことが望ましいと考えられる。また、症例数は少ないものの、外科手術を受けた猫の生存率は100%であることも分かる。よって、聴診および超音波検査にてPDAが疑われた症例では外科手術を検討することが有意義であると言える。

外科手術を受けた猫1例で術後に動脈管の完全な閉鎖ができていなかったようですが、3ヶ月後の再診で解消されていたそうです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38701804/


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