人医療とは異なり、小動物臨床では大規模で広範囲をカバーする血液バンクは存在しない。しかし、輸血を必要とする症例は後を絶たない。そこで、この絶対的な血液製剤の不足に対応する手法が試みられている。異種間輸血だ。犬なら犬の血液、猫なら猫の血液という一般的な概念から外れて、犬の血液を猫に、猫の血液を犬に輸血することはできないかと日々研究が進められているのである。そして、この度、また一つ研究がノースカロライナ州立大学より発表された。犬猫に次ぐ第3のペットも称されるウサギに関するものだ。何でも、ウサギの血液と犬猫の血液を用いてクロスマッチをしたという。詳細は以下の通りである。
◆ウサギの血液と犬猫の血液を用いてクロスマッチ◆
・DEA-1陽性、DEA-1陰性の犬から血液を採取した
・A型、B型の猫から血液を採取した
・ニュージーランドホワイトラビットから血液を採取した
・ウサギをレシピエント、犬猫をドナーと想定した
・ウサギどうしのクロスマッチでは溶血も凝集もしなかった
・ウサギの血清と犬猫の赤血球では溶血は生じなかった
・しかし肉眼的および顕微鏡学的な凝集が認められた
・猫に比べて犬の赤血球の方が1.4倍、凝集リスクが高かった
・犬猫の血液型で凝集の程度は変わらなかった
上記のことから、ウサギの血液には犬猫の赤血球と反応する抗体が存在することが示唆された。ただし、猫の赤血球とウサギの血清における凝集リスクは犬よりも低いことが窺える。よって、今後、ウサギに猫の血液を輸血する方法について更なる研究が進み、異種間輸血の臨床応用が進むことに期待している。

同一個体のウサギの血清と赤血球では溶血も凝集も見られなかったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38407442/


