下顎の腹側に結節を見つけたという主訴で、15ヶ月齢のペルシャがブラジルの動物病院を訪れた。X線検査の末、下顎骨に問題があることが分かった。増殖性の病変に加えて、骨吸収が起きている所見も認められた。果たして、原因は何であろうか。腫瘍か、感染か。生検によって採取された組織が病理学的に解析された。
結論から述べると、感染に起因する骨髄炎だった。病原体は2種類。いわゆる混合感染だった。一つは細菌性皮膚炎の主体にもなる①Staphylococcus spp。もう一つは真菌性皮膚炎の主体になり得る②Microsporum canisだった。感受性試験を経て抗炎症薬、抗生剤、抗真菌薬が投与されるとともに、病変に外科的処置が施された。当初の経過は良好。このまま回復する期待も充分にあった。しかし、診断から4年、合併症に苦しみ生活の質が低下したことから安楽死となった。
症例を発表したブラジルの大学らは、①と②が混合感染した猫の骨髄炎は過去に報告が無いと述べる。また、混合感染あるいはM. canisの感染による骨髄炎は治療が難しく、死と隣合わせの危険な病気だと訴える。よって、今後、M. canisが関与するペットの骨髄炎のデータが収集され、有効な治療法が確立することを願っている。

本症例は治療の途中で引越しをし、転院しています(治療内容は引き継がれたとのこと)。しかし、この引越しが治療経過に影響したかは不明です。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38374006/


