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4歳以下の犬が抱えているかも知れない変形性関節症の実態を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

「変形性関節症は高齢犬に多い病気である」。これは、ある意味で真実だ。しかし、その真実を間違って解釈しているヒトがおられる。「変形性関節症は若い犬には起きない」と。果たして、そうだろうか。高齢とは、あるいは、若いとは何歳のことを指すのだろうか。中年齢という言葉が間に挟まることもあるが、両者の境目は何処にあるのだろうか。ひどく曖昧な年齢の定義に変形性関節症(osteoarthritis、OA)は綺麗に収まるだろうか。むしろ、「変形性関節症は若い犬にも起きる」と捉えた方が自然ではないだろうか。

 

冒頭のような背景の中、欧米の大学および動物病院らは、母集団からランダムに抽出された生後8ヶ月〜4歳までの犬120匹以上の健康診断(整形外科的検査を含む)を行い、OAの有病率を算出する研究を行った。なお、同研究では、関節の痛み、臨床検査所見、X線検査所見をそれぞれスコア化してOAの有無を判定している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆4歳以下の犬におけるOA◆
・約40%の犬がX線画像上で1つ以上の関節にOAを抱えていた
・約24%が臨床的に軽度、約16%が中程度であった
・約30%の犬に関節障害を疑う症状が認められた
・2匹(2%に満たない)のみに疼痛管理が適応されていた

 

上記のことから、OAは4歳以下の犬で一般的であることが窺える。よって、今後、本研究で言うところの4歳以下、世間一般で言うところの若い犬の診察において、無条件でOAを鑑別リストから外すことのないよう気を付けて頂けると有難い。

OAが起きやすい場所は順に肘、股関節、足根骨、膝関節だったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38310147/


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