膵炎を起こした犬には急性腎障害が併発することがある。そこで、疑問が浮かぶ。猫では膵炎と腎障害は関連しているだろうか。急性のみならず、慢性腎臓病にもなりやすい動物種であるため、両者の関連性を明らかにすることは重要である。
冒頭のような背景の中、ブルーパール動物病院グループは①膵炎の猫と②膵炎ではない猫の診療記録を解析し、膵炎と慢性腎臓病の関連性を調べる研究を行った。なお、同研究では、膵リパーゼ免疫活性(pancreatic lipase immunoreactivity、PLI)が8.8μg/L以上の、または、PLIが4.5~8.7μg/Lの間で、且つ、超音波検査所見で膵炎が疑われる個体で消化器症状を伴う場合を膵炎としている。また、慢性腎臓病の重症度はIRIS分類によって振り分けられている。すると、①②ともに77例のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆猫の膵炎と慢性腎臓病◆
・②に比べて①のIRIS分類のステージは有意に高かった
・②に比べて①のCREも有意に高かった
・①における慢性腎臓病のリスクは年齢が上がる程に有意に高まった
・②に比べて①ではステージ2~4に属する症例が有意に多かった
・②に比べて①では糖尿病を経発するリスクが有意に高かった
・②の超音波検査では腎臓の梗塞病変が多く観察された
上記のことから、膵炎の猫では慢性腎臓病を発症するリスクが高く、重症化しやすいことが窺える。これは、「膵炎の予後は腎臓の障害程度で決定する」とした報告がなされていることを考慮すると、由々しき事態である。よって、今後、膵炎の猫は腎臓病を発症する、あるいは、重症化させることを防ぐ治療法について議論が深まることを期待している。

同研究では、②に比べて①にはより頻繁にドライフードが与えられていたことも分かっております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38364374/


