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犬のストルバイトとシュウ酸Caによる尿石症を識別する尿中バイオマーカー

投稿者:武井 昭紘

例え尿検査でストルバイト結晶が見られたとしても、分析なくして、その犬が抱えている尿結石がストルバイトであると断定はできない。これは、獣医師として、犬のオーナーとして、もどかしい現実だ。しかし、食餌療法か手術かという治療の選択肢を前にして、予め結石の成分を知りたいと思うことも道理である。では如何にして知るか。それが問題だ。

冒頭のような背景の中、中国農業大学は、①臨床上健康な犬、②ストルバイト尿石症の犬、③シュウ酸Ca尿石症の犬の代謝機能を比較する研究を行った。すると、①と②ではトリプトファンやグリセロリン関連の代謝産物に、①と③ではフェニルアラニン、ニコチン酸、ニコチンアミド関連の代謝産物に差異か認められることが判明したという。また、②と③を判別するバイオマーカーの候補として、ピオシアニン、グリシルプロリルアルギニン、トラマチン、システイニルロイシン、8-ヒドロキシドデシルカルニチンが挙げられるとのことである。

上記のことから、生体の代謝機能を解析するメタボロームによって、①②③を区別できることが窺える。よって、今後、本研究を基に尿石の種類を特定する血液検査が開発され、犬の泌尿器科診療が進化を遂げることに期待している。

現在確認されている全ての尿石成分が判別できるようになると、また、猫でも利用できるようになると、尿石症に対する診療が格段に効率的になると思います。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38301355/


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