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デンマークで捕獲された飼い主のいない猫における歯牙吸収病巣の有病率と各種検査精度

投稿者:武井 昭紘

ヒトや犬には歯周病があるように、猫にも歯の病気がある。その代表格が、歯が吸収されていく病的現象である。歯牙吸収病巣だ。この病気は痛い。罹患猫のQOLを低下させる。つまり、動物福祉上、そして獣医学的にも重要な病気なのだ。果たして、どれ程の割合の猫が苦しんでいるのだろうか。一般家庭で飼育されている猫は勿論のこと、ストリートキャット(保護されて一般家庭の猫になる可能性がある)での発生状況も把握する必要がある。

 

冒頭のような背景の中、コペンハーゲン大学は、デンマークで捕獲された飼い主のいない猫140匹以上を対象にして、彼らの口腔内を精査する研究を行った。なお、研究に参加した猫は既に亡くなっている成体だとのことである。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆デンマークで捕獲された飼い主のいない猫における歯牙吸収病巣◆
・有病率は40%であった
・歯の総数に換算すると約6%の歯に病巣が認められた
・①口腔内の視診の感度は36%、特異度は99.9%であった
・②歯科用X線検査の感度は78.9%、特異度は100%であった
・③CT検査の感度は99.5%、特異度は99.8%であった

 

上記のことから、デンマークで暮らすストリートキャットには歯牙吸収病巣が蔓延していることが窺える。また、①~③のうち、③が最も高精度であることが分かる(次いで②が高い精度)。よって、保護猫の歯を精査する場合は、費用面を考慮して②、または、費用面がクリアできるなら③を実施することが望ましいと思われる。

大学によると、本研究で算出された有病率は他の猫の集団と大差は無いとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38234230/


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