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中国原産の大型犬シャーペイが抱える健康問題に関する研究

投稿者:武井 昭紘

犬の顔に出現するシワは皮膚疾患の原因の一つに挙げられている。つまり、フレンチブルドッグやシャーペイなど、シワで独特な顔貌となる品種には病気が付き物だと考えられるのだ。では実際のところ、この理論は成り立つのだろうか。また、これらの品種には、皮膚病以外にも発症しやすい病気があるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ヨーロッパの大学らは、ヒアルロン酸の過剰な蓄積で顔にシワが寄ってしまう中国原産の大型犬、シャーペイが抱える健康問題を調べる研究を行った。なお、同研究では、イギリスで登録されている犬を母集団としている。すると、45万匹以上の記録から、1900余りのシャーペイのデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆シャーペイが抱える健康問題◆
・最も一般的な健康問題は眼瞼内反症であった(約18%)
・次いで外耳炎(約16%)、その他の耳科疾患(約7%)、攻撃性(約5%)、膿皮症(約4%)が続いた
・約7~8%の個体に外傷や問題行動も報告されていた
・診療科目としては眼科疾患が最多であった(約22%)
・次いで皮膚科(約21%)、耳科(約19%)が続いた
・研究の期間中に死亡した個体(190匹)の平均寿命は約7.3歳であった
・死因が記録された個体の85%は安楽死であった
・死に関連した病気・トラブルで最も一般的なものは腫瘍(約15%)であった
・次いで腎障害(約13%)、問題行動(約11%)が続いた

 

上記のことから、安楽死のキッカケや死亡リスクの上昇の原因になっていないものの、眼、皮膚、耳の病気が多いことが窺える。そして、大学らは、これらの健康問題は深いシワと密接に関係していると結論付けている。よって、今後、シワを浅くするべく繁殖計画が見直され、健康問題が減っていくことに期待している。また、問題行動が死に関連していることから、攻撃性などオーナーが困る行動が少なくなるように仕向けるトレーニング方法が開発されることを願っている。

大学らは、眼瞼内反症は外科手術で対応されるため、多くの個体が痛みに耐えているとして福祉上の問題があると述べています。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38093396/


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