インスリンの働きと密接に関与して発症する糖尿病を患った犬では、時に高トリグリセリド血症を起こすことがある。また一方で話は変わるが、この高トリグリセリド血症は膵炎の引き金だと言われている。つまり、糖尿病は膵炎を誘発すると考えることができるのだ。では実際のところ、糖尿病の犬が抱えているかもしれない膵炎のリスクとは一体どれ程のものなのだろうか。
冒頭のような背景の中、韓国の大学は、糖尿病と診断された犬26匹を対象にして、糖尿尿および膵炎に纏わる検査を実施する研究を行った。なお、同研究では、血清中フルクトサミン濃度によって犬を①糖尿病が充分にコントロールされたグループ(<500μmol/L)と②コントロールが不十分な、または、未治療のグループ(≧500μmol/L)の2つに分けて、彼らのデータを比較している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆犬の糖尿病(慢性的な高血糖)と膵炎の関連性◆
・母集団26匹のうち5匹 (約20%) のcPLIは膵炎を疑うものであった
・そのうち2匹には臨床症状が認められないものの、膵炎の超音波検査所見が検出された
・①(中央値77μg/L)に比べて②(520μg/L)のcPLIは有意に高かった
・cPLIとフルクトサミンは正の相関関係にあった
上記のことから、犬の糖尿病(慢性的な高血糖)は膵炎のリスクを上げていると言える。よって、今後、糖尿病治療と膵炎リスクの関連性、糖尿病症例における膵炎の予防について研究が進み、犬の糖尿病診療が進化することを期待している。

膵炎を示唆する臨床症状も併せて解析されると、新たな知見が得られるかも知れません。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37708476/


