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猫が草を食べることについて突き詰めた研究

投稿者:武井 昭紘

小動物臨床に従事していると、草を食べる猫の話を良く耳にする。ペットフードに足りない栄養素を接種している、腸の環境を整えている(毛玉を排出する)、胃に違和感がある時に食べている、猫科動物の先祖の習性を引き継いでいるetc。語られる理由は様々だろう。そこで、疑問が浮かぶ。果たして、真相は何処にあるのだろうか。「草を食べること」は猫にとって有益なのだろうか。あるいは、害あって一利なしなのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、カリフォルニア大学は、猫のオーナーを対象にして10年間にも渡りオンラインアンケートを実施し、猫の草食と行動に関するデータおよび猫の個体情報を集積・解析する研究を行った。なお、同研究では、延べ4000件を超える回答が得られている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆草を食べる猫の特徴◆
・草を食べる行動が見られなかった猫は全体の僅か11%であった
・若齢の猫ほど草を食べる個体の割合が高かった
・高齢の猫ほど草を食べた後に嘔吐する個体の割合が高かった(全年齢で27%、1歳未満で約3%、9歳以上で約57%)
・草を食べる前に病気を抱えていたと思われる猫は全体の10%に満たない
・短毛種と長毛種の草を食べる頻度は同程度であった

 

上記のことから、草を食べる行動と、病気の有無や被毛の長さとの関連性は無いことが窺える。つまり、毛玉や病気で胃腸にトラブルを抱えているから草を食べるという説は否定的だと言える。また、草を食べることで嘔吐が誘発される猫が少なくないことも分かる。
よって、草を食べた後に嘔吐をする猫では、その行動を防止することが望ましいと思われる。

野生の肉食動物の草食は、消化管内寄生虫の駆除と関連していると言われております。その習性を猫が引き継いでいるのではと、同大学は述べています。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34206345/


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