ケースNo.3141592。
ペットの中毒に関する有料の相談を24時間体制で受け付けるPet Poison Helplineに一本の電話が入った。どうやら、8歳のジャーマン・シェパード「デューク」の身を心配して、オーナーが相談を寄せたようであった。愛犬が中毒を起こすのではと不安に思っているらしい。
デュークは、オーナーの仕事場に同行していた。場所は、天然ガスを圧縮する機械を管理する工業地。その日は、機械を冷却するためのラインが破裂していた。ラインの内部にあった冷却液が漏れ出て、地面に水たまりを形成していたのだ。この冷却液には、不凍液の一種、エチレングリコールが含まれる。デュークがエチレングリコールが入った水たまりに触れたのではないか。しかし、確かなことは分からない。それが心配の種であった。
オーナーが工業地に滞在した時間は3時間。エチレングリコール中毒は、摂取から30分後に臨床症状が出始め、12時間後までは油断ができない。最悪の場合は死に至る。Pet Poison Helplineの専門家は、少量の液体を摂取するだけでエチレングリコール中毒になる可能性があると判断し、デュークを動物病院に連れて行くことをアドバイスした。診察の結果、中毒症状である血液浸透圧の上昇、尿中のシュウ酸カルシウムの出現は認められず、緊急の治療を要する状況ではなかった。そのため、自宅で経過を観察することとなった。
犬や猫と日常生活を送る中で、中毒のリスクを完全に排除することは難しい。つまり、『もしかしたら・・・』と思った時は、専門家に相談することが望ましいのだ。読者の皆様におかれては、それを決して忘れないで欲しい。そして、躊躇することなく、愛犬・愛猫を連れて動物病院を訪れて欲しい。

Pet Poison Helplineが本症例を選び公開した理由は、ケースNo.にあります。「3141592」。この番号は円周率3.141592に一致しています。そして、間もなく訪れる3月14日は「円周率の日」です。
参考ページ:


