腹部に瘻管を形成した犬(5歳齢、メス)が動物病院を訪れた。ペニシリン系、セフェム系にニューキノロン系。様々な抗生剤で治療されるも効果は無し。アモキシシリン-クラブラン酸およびセファレキシンに感受性を示す細菌が存在しているのにも関わらずだ。そこで、症例はUniversidade Federal de Santa Maria(ブラジル)に付属する動物病院へと紹介された。一体、彼女の身に何が起こっているのだろうか。
超音波検査の結果、右腎の尾側に肉芽腫を疑う所見。細菌感染の原因追究と肉芽腫の摘出を検討するため、腹腔鏡手術に臨む。肉芽腫と周囲組織の癒着を慎重に剥がす。摘出された肉芽腫を観察。その中からガーゼが発見された。3年前、彼女は卵巣子宮全摘出術を受けていた。
これを受け、大学らは、同症例をGossypiboma(ガーゼオーマ)と診断した。つまり、手術後に腹腔に残されたガーゼが一連の症状・経過の原因だと結論付けたのだ。そして、「当該疾患に腹腔鏡手術でアプローチしたケースは今までに報告がない」と述べる。果たして、卵巣子宮全摘出術を受けた犬のうち、ガーゼオーマを発症する症例はどれくらい存在しているのだろうか。各国で発生率を算出する研究が進み、同手術に伴う合併症(ガーゼオーマ)をゼロにする卒後教育が計画されることを期待している。

大学付属病院に紹介される前に、この症例は試験開腹術を受けていたそうですが、その時点では肉芽腫の切除も生検も講じられなかったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34457369/


