一次診療でも遭遇する機会のある犬の耳血種は、何らかの原因によって耳に分布する血管が破綻し、その内部に血液が貯まって大きく腫れる病気である。では果たして、当該疾患の有病率はどれ程なのだろうか。そして、耳血種を発症しやすい犬種とは。それを明らかにした研究が王立獣医科大学より発表された。なお、詳細は以下の通りだ。
◆犬の耳血種に関する疫学◆
・90万匹以上の診療記録を解析した
・400匹に1匹が耳血種を発症していた(有病率0.25%)
・ブルテリア種、セントバーナード、フレンチブルドッグの発症リスクが高かった
・ポメラニアン、ミニチュアダックスフンド、チャウチャウ、グレイハウンドの発症リスクが低かった
・ボーダーコリーなどの半直立の耳、ハンガリアンビズラなどのV字型の耳は発症リスクが高かった
・体重が大きいほど発症リスクが高かった
・1歳より若い個体は発症リスクが低く、その後10~12歳まで年齢が増えるごとにリスクが上がっていた
上記のことから、特定の品種、特定の耳の形に該当する犬では、耳血種に対して細心の注意を払うべきだと言える。また、年齢を重ねる度にリスクが上がることを心に留めておく必要があるものと思われる。よって、それらの条件に当て嵌まる犬を診察する獣医師は、身体検査で耳介をチェックしつつ、オーナーにも耳血種についてインフォームドコンセントを行って頂けると幸いである。

他犬種と比べて、グレイハウンドは取り分け発症リスクが低い種だとのことです。
参考ページ:
https://www.rvc.ac.uk/Media/Default/VetCompass/211027%20Aural%20Haematoma%20Infographic.pdf


