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リンパ腫を抱える犬の血中に含まれるヌクレオソーム濃度を測定した研究

投稿者:武井 昭紘

Texas A&M大学が研究を進めているヌクレオソーム(壊れた細胞から出てきたDNAとヒストン)と犬の腫瘍の関係性。それが一つの形となって結実したものが、Nu.Q Vet Cancer Screening Testだ。具体的には、血液サンプルを用いて、リンパ腫の有無を判定するシステムである。感度74%、特異度100%。感度が高くなれば、素晴らしく簡便な検査になるものと思われる。そこで、疑問が浮かぶ。多様な病態を示す犬のリンパ腫。血中に含まれるヌクレオソームの濃度を測定することは、これらの病気を区別することにも利用できるのだろうか。

冒頭のような背景の中、Texas A&M大学らは、①リンパ腫と診断された犬120匹以上および②臨床上健康な犬130匹以上から血液を採取して、ヌクレオソーム濃度を測る研究を行った。すると、②に比べて①では、同濃度が約7倍高いことが判明したという。また、B細胞リンパ腫の症例は、T細胞リンパ腫の症例よりも濃度が有意に高いことも明らかになったとのことだ。

上記のことから、更に病態を詳細に分け、それぞれの症例から得られる血中ヌクレオソーム濃度のデータを解析すると、更にヌクレオソームと犬のリンパ腫の関係性が深く理解できるかも知れないと期待される。よって、今後、今回紹介した研究が発展を遂げ、リンパ腫の診断法や当該疾患に対する治療法の選択に革新を齎すことを願っている。

血中ヌクレオソーム濃度の測定が猫のリンパ腫に利用できるか否かについても検証されていくことを期待します。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34399763/


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