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ケネルクラブが導入したチベタン・テリアの下垂体性矮小症に対する遺伝子検査

投稿者:武井 昭紘

チベット原産の中型犬で、同国で発展した仏教(ラマ教)にて幸福を招く守護犬として位置づけられるチベタン・テリアが発症する下垂体性矮小症は、出生時には大きな問題はないものの、時間経過とともに成長が遅れていることが顕著になる遺伝性疾患で、最終的には若くして亡くなってしまう転帰を辿ることが知られている。そのため、彼らの福祉を念頭に置くと、当該疾患の撲滅が獣医学の至上命題となるのだ。

そこで、イギリスのケネルクラブは同品種の健康を守るべく、彼らを登録する際に下垂体性矮小症の遺伝子検査を追記することを決定した。なお、検査結果はクリア(下垂体性矮小症に関与する遺伝子を持たない)、キャリア(遺伝子を1つ持つ)、アフェクテッド(遺伝子を2つ持つ)の3つで表示され、後二者は当該疾患を遺伝させるとして、繁殖に用いないことが推奨される。

下垂体性矮小症によって表面化する「成長の遅れ」は、成犬へと近づく同腹個体に比べて子犬のような外観と被毛の状態(パピーコート)が継続し、歯の発育異常や脱毛を認めることで、オーナーの気が付くところになる。つまり、罹患犬のみならず、その個体を飼っているオーナーも悩み、苦しむのだ。果たして、今回のケネルクラブの決定は、チベタン・テリアの下垂体性矮小症を撲滅するキッカケになるか。今後の動向に注視したい。

アフェクテッドと判定された個体に対する治療法の開発も進むことを願っております。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/20672/New-DNA-testing-scheme-for-Tibetan-terriers


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