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NSAIDのオーバードースで救急外来を訪れた犬の転帰と予後に関する研究

投稿者:武井 昭紘

北米にてペットの中毒症状に関する有料相談を24時間対応で受け付けているPet Poison Helplineによると、彼らが中毒に陥る最も一般的な原因は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の誤飲であるという。では果たして、この薬剤を誤飲するとペットには何が起きるのだろうか。そして、生死は何によって分かれているのだろうか。それを明らかにすることは、ペットの中毒に対する診療を見直すキッカケになるかも知れない。

 

冒頭のような背景の中、ペンシルバニア大学は、過去2年間にNSAIDのオーバードースで救急外来を訪れた犬120匹以上を対象にして、彼らの呈する症状をデータ化することに加え、転帰と予後に関連するファクターを解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が判明したとのことである。

◆NSAIDのオーバードースで救急外来を訪れた犬の転帰と予後◆
・約26%の症例が動物用のNSAIDで、約74%がヒト用のNSAIDで中毒になっていた
・最も一般的な症状は嘔吐であった(症例の約37%)
・急性腎障害または消化管潰瘍が疑われる症例がそれぞれ13%前後存在していた
・96%の症例が生存した(無事に退院した)
・食欲不振を認める日数が長くなることが死亡する可能性を上げるファクターであった

 

上記のことから、NSAIDのオーバードースによる中毒に陥った犬を診察する際は、食欲の有無を確認することが望ましいと思われる。また、今後、食欲不振になった症例の食欲を回復させる治療法について議論され、その治療法によって死亡率が改善するか否かを検証する研究が進められることに期待している。

動物用とヒト用のNSAID、何れの中毒であっても結果(症状、転帰、予後)に違いはなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34297883/


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