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フィロコキシブを投与したトイ・プードルに起きた皮膚疾患

投稿者:武井 昭紘

9歳のトイ・プードル(未避妊メス)が、韓国の全南大学校(獣医学部)を訪れた。診察の結果は、頚部の椎間板疾患。内科的治療のため、頚部を安定させるカラーおよび消炎鎮痛剤(フィロコキシブ)が適応された。すると2日後、ある問題が起きたという。

頚部に浮腫が発生したのだ。その翌日、病状は更に進行する。頚部の皮膚は潰瘍へと発展し、膿性分泌物や壊死も認められるようになった。また、細胞診では、マクロファージとリンパ球が少なく成熟好中球主体の像が確認され、無菌性の炎症を呈していたようである。

そこで、フィロコキシブの投与を中止。と同時に、免疫機能の異常による皮膚疾患と判断し、シクロスポリン等を用いて免疫抑制療法を開始したという。約2週間後、皮膚の状態が快方に向かう。そして7週間後、完全に治癒したとのことである。

 

一部のNSAID(カルプロフェン、メロキシカム、ピロキシカム)において、皮膚に副作用が発現したという報告が上がっている。この事実と本症例の経過を受け、大学は、『フィロコキシブの投与に伴って皮膚病が発生した可能性がある』と述べる。果たして、同薬剤が皮膚病を起こす確率とは如何ほどなのだろうか。今後、その確率を算出する研究にて症例のデータが集積され、副作用(皮膚病)を予防する方法が考案されていくことを期待している。

皮膚病の外観、細胞診の結果、治療スケジュールの詳細につきましては、リンク先の論文をご参照ください。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34021731/


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