ニュース

犬のリンパ節に発生したリンパ腫に対するステロイド療法と生存期間

投稿者:武井 昭紘

リンパ腫を患った犬の生存期間は、無治療で1~2ヶ月、抗ガン剤を適用すると1~2年以上となることが知られている。そのため、罹患犬の治療では化学療法が推奨されるのだが、経済的な理由や副作用の発現状況によって「それ」を選択できないケースも存在しているのが現状である。そこで検討されるものが、ステロイド療法や対症療法だ。では、これらの治療法で得られる生存期間とはどれくらいなのだろうか。

冒頭のような背景の中、アメリカの大学および動物病院らは、体表リンパ節にリンパ腫(中細胞または大細胞)が発生し、且つ、無治療の犬100匹以上を対象にして、プレドニゾン単独の治療の効果を検証する研究を行った。なお、同研究では、プレドニゾンを40mg/m2/日で7日間投与することから始まり、以降は20mg/m2/日に調整されている。また、生存期間に加えて、①オーナーが評価する罹患犬のQOLスコア、②サブステージ(a:症状なし、b:症状あり)、​③免疫学的表現型(B細胞かT細胞か)が記録されている。すると、生存期間の中央値は50日で、三者とも「この期間」に関連し、特に①のスコアは正の相関関係にあることが判明したという。

上記のことから、ステロイド療法は、生存期間を延長する効果が弱いことが窺える。よって、同療法の適応については、様々な要因(QOLスコア、経済的な理由、副作用の発現状況、生存期間の延長効果などを含む)を考慮した上で、オーナーと担当獣医師が充分に相談をすることが大切であると言える。

一定以上のスコア(50以上)の症例の生存期間は、以下のスコア(50未満)の症例と比べて、有意に長いとのことです。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.259.1.62


コメントする