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イギリスにおける犬のレプトスピラ症の臨床所見に関する研究

投稿者:武井 昭紘

改めて言うまでもなく、レプトスピラ症は、犬とヒトが発症するズーノーシスである。故に、ヒトの傍らで日常生活を送る犬のレプトスピラ症を見逃すことなく確実に診断することは、大変に重要なことなのだ。つまり、その「確実な診断」を実現する方法を模索する研究は、獣医学の課題と言って過言でないのである。

 

冒頭のような背景の中、イギリスの動物病院および研究所らは、同国内でレプトスピラ症と診断された犬(38例)の特徴を解析し、以下に示す通り発表した。

◆イギリスでレプトスピラ症と診断された犬の特徴◆
・最も多く検出される血清型はCopenhageniであった
・70%近くの症例が食欲不振や嘔吐を呈した
・多飲多尿を示した症例は18%であった
・肝臓と腎臓に病変を認めた症例は47%、肝臓のみは37%、腎臓のみは16%であった
・60%前後の症例でALTやTBILの上昇を認めた
・約70%の症例で高窒素血症、約50%の症例で低アルブミン血症を認めた
・約70%の症例は退院まで生存した
・亡くなった症例では初診時のCREが高かった

 

上記のことから、罹患犬の中には、肝臓のみに障害をもつ症例が居ることが窺える。よって、今後、肝障害あるいは肝臓に病変を認める犬を対象に、レプトスピラ症の有病率を算出する研究が行われ、犬の肝臓疾患の類症鑑別リストにレプトスピラ症を追加する必要性について検証されていくことに期待している。

紹介した論文には、貧血、血小板減少症、尿糖の有病率も記載されておりますのでご参照下さい。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34085284/


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