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クッシング症候群によってマスクされた白血球数の異常と併発疾患

投稿者:武井 昭紘

12歳の犬(未避妊メス)が、多飲多尿および腹部膨満を主訴に動物病院を訪れた。血液検査にて肝酵素の上昇と好中球の増加を認め、ACTH試験にて副腎皮質機能亢進症(hyperadrenocorticism、HAC)を疑う所見が得られた。そこで、トリロスタンによる内科治療を始めたという。その結果、当該疾患の寛解に成功。しかし、寛解後に問題が勃発してしまった。リンパ球の増加症、そして非再生性貧血を発症したのだ。一体、この症例に何がおきているのだろうか—–。

 

骨髄穿刺が行われた。採取されたサンプルを分析すると、T細胞のクローン性増殖が認められた。本症例は、HACに加えて、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)を併発していたのだ。

『内因性コルチゾールの過剰分泌によってリンパ球数の増加がマスクされていた。』

症例を報告した韓国の建国大学校は、こう述べる。また、HACの寛解後にリンパ球が増加する場合は、CLLの可能性があると。読者の皆様は、今回紹介した症例に類似する犬に遭遇したことはあるだろうか。あるとするならば、謎のリンパ球増加症の裏にある「可能性」を探ることが大切だと思われる。

化学療法でリンパ球増加症は改善されたようですが、最終的に生活の質が低下し、本症例は安楽死となったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34039785/


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