3歳の猫(去勢オス)が発熱の病歴を4ヶ月間抱えている。どうやら、ニューキノロン系抗生剤プラドフロキサシンには反応するようだ。発熱以外の所見と言えば、聴診における心雑音(心尖部の左側収縮期雑音、グレードIII/IV)と画像診断における心内膜炎。この心内膜炎が発熱の原因か。だとすれば、心内膜炎が起きるキッカケは一体何か。抗生剤が効くことを考えると、感染症なのだろうか。
病原体の遺伝子配列を特定するために、症例から血液が採取された。
結果は、連鎖球菌。
しかも、Streptococcus suis(豚レンサ球菌)であった。
同菌は、豚に感染すると敗血症、髄膜炎、肺炎、心内膜炎、関節炎など様々な病態を惹起し、ヒトに感染すると頭痛や発熱を主として、重症であればDIC、敗血症を起こす。また、猫から分離されることもある。しかし、症例報告を行ったカリフォルニア大学は、心内膜炎に陥った猫のケースは今までに無いと述べる。初めて報告された猫の心内膜炎症例。果たして、類似の症状を認める猫は他にも存在しているのか。今後、有病率を算出する研究が進められることを期待している。

本症例は治療の甲斐なく、安楽死されたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34026243/


