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気管虚脱に対する手術の有無と罹患犬の生存期間との関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

呼吸が苦しそうで、興奮したり運動したりすると咳をする。そして、重症となれば、チアノーゼを呈し、安静時も咳が止まらない状況になる。そんな気管虚脱の犬を見るにつけ、あることが頭に浮かぶ。あの苦しそうな彼らには、健康な犬と同じくらいの寿命が与えられているのだろうか。薬剤で管理する、あるいは、外科手術に臨む。この2つの選択で、その後の運命は変わるのだろうか。

そのような中、ニューヨークのアニマルメディカルセンターの研究を見付ける。それによると、気管虚脱の犬150匹以上を対象にして、①気管内ステント設置術を受けた個体と②内科治療を受けた個体における生存期間の比較を行ったという。すると、①では5.2年であった生存期間が、②では3.7年と短いことが判明したとのこと。しかも、重症例に限ると、この差は更に顕著になるようで、①では約3.7年だったのに対して、②では僅か12日(年ではない)となるそうだ。

上記のことから、重症度が高い症例は、気管内ステント設置術を「早急に」適応することが望ましいと言える。対して、軽度~中程度の症例では、どうであろうか。内科治療であっても3.7年は生きられる。これを長いと考えるか、短いと捉えるかで、治療方針は分かれることになるだろう。読者の皆様の判断は如何に。そして、オーナーの意志は。本研究を参考にして、「今後のこと」を相談して頂けると幸いである。

②の症例は、短期的には改善するようですが、時間の経過とともに様態が悪化していくとのことです。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.258.3.279


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