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犬の健康とグロースチャート上における体重変化との関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

一概にそうだとは言わないが、小学校低学年くらいの子供の体型は、そのヒトが大人になった時の体型を予期させるものであるように思える。つまり、子供の頃、標準体型だったヒトは大人になっても標準体型で、痩せ型・肥満だったヒトはそれぞれ痩せ型・肥満のままに成長していく傾向が強いように感じるのだ。とここで、一つの疑問が浮かぶ。子犬でも、同じ傾向はあるのだろうか—–。

 

そのような背景の中、欧米の大学、研究所、動物病院は、ウォルサム研究所が作成したパピーグロースチャートを用いて、子犬の成長パターンと将来の体型との関連性を明らかにする研究を行った。なお、同研究では、子犬の体重の変動が、チャートに引かれた複数の成長曲線(成長スピードの予想ライン)を跨るか否かが観察され、そして、ラインを跨った成長(理想的ではない体重変化)が将来の体型に与える影響について解析されている。すると、以下に示す事項が明らかになったとのことてある。

◆子犬の体重の変動と将来の体型◆
・標準の体型で健康的に成長した犬の95%以上は、成長曲線を跨らない体重の変動を示す
・3歳齢までに肥満になった犬の68%は、2つの成長曲線を跨る
・また、54%は予想(成長曲線)を上回るスピードで成長していった
・3歳齢までに痩せ型になった犬の49%は、予想(成長曲線)を下回るように2つ以上の成長曲線を跨る

 

上記のことから、パピーグロースチャートを使用して「子犬の成長を見守る」ことで、その個体の将来の体型を予測することできると言えるのではないだろうか。つまり、成長曲線を跨りそうな子犬の体重を管理することで、その子の健康を維持し、ひいては、福祉上の問題(肥満に関連した疾患)を未然に防ぐことが可能になるのだ。現在、診察を担当している子犬の中に、成長スピードが遅い、あるいは、速い症例は居るだろうか。もしも、お心当たりがあるのであれば、パピーグロースチャートに彼(彼女)の体重をプロットしてみると良いかも知れない。

パピーグロースチャートは、リンク先よりダウンロードして頂けますと幸いです。

 

参考ページ:

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0238521


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