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C反応性タンパク質/アルブミン比~膵炎を患った犬の予後を予測するマーカー~

投稿者:武井 昭紘

犬の急性膵炎は救急疾患である。要するに、生死を彷徨う病気だということだ。そう考えると、ふと疑問が頭に浮かんでくる。では、急性膵炎のために入院した犬が、治療の甲斐なく亡くなってしまう、あるいは、死を免れて無事退院に漕ぎ着けることに関与しているファクターとは何であろうか。そのファクターを一つひとつ解明し、予後判定基準を設定していくことが獣医療の発展に繋がると思われる。

冒頭のような背景の中、ピサ大学は、①C反応性タンパク質(C-reactive protein、CRP)と②アルブミン(ALB)に着目して、入院加療となった急性膵炎の犬(70例以上)の予後を判定するマーカーを開発する研究を行った。なお、同研究では、②に対する①の比率を求めることで、C反応性タンパク質/アルブミン比(CRP/ALB)が算出されており、その比の変動と死亡リスクとの関連性が解析されている。すると、CRP/ALBが高いグループは、低いグループに比べて有意に死亡する確率が高く、CRP/ALBが1単位上昇する度に、死亡リスクが130%増加することが明らかになったとのことである。

上記のことから、CRP/ALBは、急性膵炎の犬の予後を判定する有用なマーカーになり得るものと考えられる。よって、今後、感度および特異度(それぞれ約89%、約68%)を向上させる計算式が考案され、その精度が世界各地の小動物臨床で検証されていくことに期待している。

本研究における症例の死亡率は、38%だったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32539626/


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