携帯型グルコースメーター(portable blood glucose meters、PBGMs)は、院内に設置された血液生化学検査機器を用いることなく、自宅でも血糖値が測定できる便利な医療機器で、低血糖の有無や糖尿病管理における日常的な血糖値のチェックをするために広く使用されているものである。しかし、一般的に、PBGMsは大きなデメリットを抱えていると言われることがあり、生化学検査で測った血糖値よりも、低い測定値を示してしまうことが、小動物臨床の現場(無論、人医療でも)にて、『PBGMsは使いづらい』というイメージを獣医師に与えているのが現状となっている。
そのような背景の中、アイオワ州立大学が、冒頭に記したデメリットが反映される一つの症例を報告した。なお、同大学によると、先天性心疾患(右-左短絡)に伴う赤血球増多症を呈した18ヶ月齢の犬を救急救命科で診察した際に、①PBGMsと②血液生化学検査機器に表示された血糖値が異なっており、②よりも、①の方で、低い数値が出ることが確認されたとのことである。
上記のことから、血液中の赤血球の増加は、PBGMsで測定する血糖値が過小評価される原因となっていることが窺える。よって、今回紹介したケースリポートに続くように、PBGMsのデメリットを表面化させるファクターを一つひとつ明らかにする研究や症例が報告され、そのファクターを克服するための補正式が導入された動物用PBGMsが開発されることを期待している。

生化学検査と一致する血糖値を示すPBGMsが製品化されれば、ヒトおよびペットの糖尿病管理(自宅療養)は、今より「楽に」なるかも知れません。
参考ページ;
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31840932


