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肝外胆管閉塞を起こした犬における鑑別疾患を改めて考えるための症例報告

投稿者:武井 昭紘

肝外胆管閉塞(Extrahepatic biliary duct obstruction、EHBOまたはEHBDO)は、肝細胞で産生された胆汁を十二指腸へ送るルートである胆管(肝臓組織の外部)が何らかの理由で閉塞して発症する病気で、食欲不振、嘔吐に続く黄疸、高ビリルビン値、肝酵素値の上昇などを特徴とする消化器疾患だとされている。また、EHBOは、様々な基礎疾患によって生じることが知られており、膵炎、胆嚢・胆管炎、胆嚢粘液嚢腫、消化器系の腫瘍、外傷、横隔膜ヘルニアなどの鑑別と、それに応じた治療方針の作成が重要であるとも言われている。そこで、本稿では、EHBOを惹起させる原因としては稀であるが、鑑別リストに加えていた方が良い疾患を、海外の症例報告を交えながら紹介したい。

 

なお、報告を行ったカナダの獣医科大学(Western College of Veterinary Medicine)によると、冒頭に記した臨床症状を呈した犬2匹の画像診断にて、近位十二指腸の閉塞病変が確認され、両症例ともに、十二指腸内に異物が存在していたとのことである。そのため、同大学は、この2例のEHBOの原因は、消化管内異物だと結論付けているのだ。

 

上記のことから、EHBOを疑う犬を診察する際には、オーナーから「異物の誤食」に関する問診を取ることが非常に大切であると考えられる。また、異物を誤食した犬におけるEHBOの続発も警戒し、消化器のみならず、胆道系に対しても超音波検査を実施することが望ましいと思われる。

今回紹介した症例は、2例とも大型犬(ボクサーとオーストラリアン・キャトル・ドッグ)だったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31523087


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