ヒトの糖尿病では、持続的な高血糖に伴って全身に走行する血管へのダメージが蓄積し、心筋梗塞、脳梗塞、網膜症などの様々な血管障害が発現することが知られており、腎臓で起きた血管障害を「糖尿病性腎症」と呼称している。一方で、猫の糖尿病では、高い血糖値が腎臓に分布する血管に障害を齎すか否かについて、そのリスクを数値化した研究はなく、今後の獣医学の課題として残されている。
前述のような背景の中、スペインのラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学らは、500件を超える猫の症例データを解析し、糖尿病に罹患した猫における慢性腎不全(CKD)の発症リスクを算出する研究を行った。すると、糖尿病を認めない猫のグループに比べて、糖尿病を呈する猫のグループは約4.5倍、CKDを発症しやすいことが明らかになったとのことである。
上記のことから、猫の糖尿病でも、ヒトのそれと同様に糖尿病性腎症が起きることが窺える。よって、今後、更なる研究が進み、猫が糖尿病性腎症に陥るメカニズムが解明され、人医療・獣医療ともに、より一層の発展を遂げることを期待している。

世界各国にて同様の研究を実施して、オッズ比が算出され、それらの相違点から、猫の糖尿病性腎症の発症を防ぐ治療法も確立されていくことを願っております。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31305000


