鳥から人に感染する「オウム病」は、4月に2人の妊産婦が死亡していたことが明らかになっています。感染経路などは不明だが、死亡報告は国内初。妊産婦がいる家庭や、ペットに鳥を飼っていて不安を感じている人も多いはず。
記事では、国立感染症研究所の安藤秀二ウイルス第一部第五室長と、森下小鳥病院の寄崎まりを獣医師に、オウム病とはどういったものか、注意点は何かなどを聞いています。
オウム病は「クラミジア・シッタシ」という細菌による感染症で、感染した鳥の乾燥した糞や分泌物などが空中を舞い、それを私たちヒトが吸い込むことで感染するそうだ。
症状はインフルエンザにかかったような症状がみられ、激しいセキなどの呼吸器症状や意識障害、肺炎を引き起こすことも。初期の治療が不適切だと重症化してい命に関わることもある。
感染研などのまとめによると、国内で発症する約60%がペットなどで飼育されているオウム・インコ類からの感染で、鳩を含めたその他の鳥が約20%、感染源が不明が20%だという。
記事では、妊産婦の死亡例が報じられた後に、森下小鳥病院(東京都江東区)にセキセイインコを連れた初老の夫婦が訪れたことも書かれている。家族に妊産婦がいるので、どうしたらよいのかという相談だったそうだ。
そこで、セキセイインコの症状を確認したところ、オウム病の症状は無かった。しかし、感染しているのに症状の出ない「不顕性感染」でクラミジア・シッタシを排出している可能性もあるので、検査が必要だという。
検査には鳥のフンと血液を混ぜた検体を検査機関に送り、2~3週間で結果がでる。そのため、夫婦には万一感染していた場合の対処方法などの説明と、検査に必要な5日分のフンをもって後日、再来院するように伝えたそうだ。
オウム病に鳥が感染すると、動かなくなったり、食欲不振、嘔吐、下痢などがみられる。悪化すると、肺炎で呼吸を苦しそうにしたり、肝障害からフンが黄色や黄緑になる症状がみられる。
感染していた場合の治療には、ヒト用の抗菌薬を鳥の体に合わせて約45日間飲ませる。しかし、クラミジア・シッタシが細胞内に潜伏していると抗菌薬の効力が及ばず、体外にも排出されない。症状や排出が止まっても注意が必要なようだ。寄崎獣医師は、年に1~2回は検査を受けることを勧めているという。
安藤室長は「オウム病をむやみに怖がるのではなく、感染や重症化のリスクを減らすために、どういう病気なのかを知り、鳥との適切な付き合い方を知ることが大切だ」と話す。
<毎日新聞 医療プレミア 5/8(月) 7:00配信>
身近な鳥が感染源 死にも至るオウム病



