国内ラッコの繁殖計画を手がけ、ラッコ飼育歴30年以上の石原良浩さん(鳥羽水族館・三重県鳥羽市)によると、国内のラッコは1982年に米国から輸入されラッコブームを起こし、1994年には122頭も飼育されていたが、20年で9割も減少し、現在は13頭になったと話す。
かつてラッコは北日本、アメリカ、メキシコに亘って広く分布していたが、毛皮目当ての乱獲や石油流出事故が原因で、ラッコは一時は絶滅に近い数まで減った。アメリカ領内のラッコは捕獲禁止になり、日本への輸入も閉ざされてしまった。
日本の水族館では適齢期のオスとメスを貸し借りして、繁殖計画を行なっているが妊娠に至るのは難しい。理由としては、なんとオスの「草食化」。野生では親や仲間から交尾を覚えるが、ラッコは自分の息子や娘を認識できず、殺し合いや繁殖対象に発展してしまうことから、水族館ではオスのラッコは一つの水槽で一匹しか飼育できない。そういった要因からオスが草食化しているようだ。
野生のラッコはオスがメスの背後から同意なしに交尾を行なうが、水族館のオスのアザラシは抵抗されると諦める。また、メスも交尾を学ぶ機会がないので、抵抗し交尾が成立たない。
世界的にはラッコの生息数は増えており、一部は輸入が再開される動きもあるが、ラッコの主な生息地であるアメリカ西海岸では、今も海洋動物の捕獲は禁止となっている。ただ、座礁した場合は特定の保護施設に収容されデンマークやフランスに輸出されているが、オスのラッコは去勢して輸出されるのだという。
国内のラッコは高齢化が進んでおり、15歳以上のアザラシが半分を占めている。ラッコの妊娠適齢期は15歳と言われており、繁殖ではなく健康に元気に長生きして欲しいと各水族館では工夫した餌やりや、足腰トレーニングを取り入れている。
無理なくラッコが妊娠できる方法や環境の模索が続いている。
国内の水族館で今、妊娠適齢期のラッコはオス3頭、メス4頭。でも、まずは高齢化したラッコも含め最良の環境で飼育することが最優先です。ラッコはデリケートな生き物で、繁殖のための引っ越しが命取りになることもあります。不自然な試みはせず、妊娠の可能性を探っていきたい
http://www.jprime.jp/articles/-/7830
<週刊女性PRIME 7月30日(土)16時0分配信>
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