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不妊・去勢手術の習得に必要となる定期的な執刀経験に関する研究

投稿者:武井 昭紘

ヒトが新しく学んだことを長期記憶として定着させるためには、復習・反復が非常に重要であるとされている。これは、エビングハウスの忘却曲線(ウェブ検索にてご参照下さい)でも示されていることであり、学習したことの半分以上は「1時間以内に忘れてしまう」という脳の生理的現象が根拠となっている。前述のことは、社会人になってから知り得る職種に関連した情報にも当てはまり、小動物臨床の現場も例外ではない。しかし、新卒者(社会人1年目のスタッフ)が、忘却曲線を乗り越えて、早い段階で戦力となることは全ての職場における共通した願いであるのではないだろうか。

そこで、アメリカのイリノイ大学は、①一般開業医(1名、140件)および②獣医学部生(88名、3056件)が不妊・去勢手術に要する時間を比較することで、手術手技の習得・維持に必要な反復のタイミング(前回の手術から最長でどれくらいの期間が空いても技術力が低下しないか)について検証を行った。今回の研究に基づいた同大学の見解では、反復のタイミングの最長は「3週間」であり、この期間内に手術の執刀を繰り返し経験させることが大切であるとのことである。

ことことから、若い獣医師を育成する教育係または上司は、忘却曲線を理解した上で、反復時期を意識して、指導にあたることが望ましいと思われる。また、日本においても、獣医師免許を取得して間もない獣医師を対象として同様の検証が実施され、「効率の良い卒後教育」が実現することを願っている。

手術以外の診療技術についても反復のタイミングが解析されていくと、臨床1年目の獣医師および指導係の負担が軽減されていくかも知れません。

手術以外の診療技術についても反復のタイミングが解析されていくと、臨床1年目の獣医師および指導係の負担が軽減されていくかも知れません。

 

参考ページ:

http://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.251.3.322?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed


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