ニュース

蚊に刺されやすいメカニズムの解明に繋がる犬の体表から揮発する成分の研究

投稿者:武井 昭紘

蚊が媒介するヒトや犬猫の感染症は数多く、致死的経過を辿るケースも珍しくないため、蚊に刺されないための対策を講じることは、予防薬やワクチン接種と並ぶ程に重要な概念となりつつある。そのため、「蚊に刺されやすい体質」の解明が研究分野の一つとして成立しており、①呼気中二酸化炭素濃度、②体温、③不感蒸散、④四肢端から放出される乳酸などの様々な因子(刺されやすい原因)が注目されている。その中で、乳酸を含めた揮発性有機化合物(volatile organic compounds、VOCs)は、蚊が①②③を感知しながら遠い場所に居る動物に接近した後に、吸血対象の詳細な位置を特定するために利用されている物質であると考えられている。しかし、犬のVOCsは知られておらず、(VOCsが)蚊を引き寄せる要因となっているかについても不明である。

そこで、アメリカ合衆国農務省およびフロリダ大学は、犬における蚊に刺されやすい因子を明らかにすることを最終目標に掲げて、そのファーストステップとなる犬のVOCsの解析に関する研究を行った。今回の研究では、特殊なステンレススチール製の回収瓶を用いて犬(4匹)の体表から採取したVOCsが、ガスクロマトグラフィーにて成分分析されている。同大学によると、上記の手技で検出されたVOCsは延べ182種類に分類することができ、全頭に共通したものが41種類に上ることが判明したとのことである。

今後、更なる研究が進み、各個体でのVOCsの相違点と「刺されやすさ」との間に、相関関係が認められるようになれば、犬のフィラリア予防は大きな進歩を遂げることが予想できる。つまり、犬のVOCsが、食べ物(口に入れる物全般)、シャンプー剤、疾患などで変動すると仮定したら、食餌管理、皮膚ケア用品の選択、病気の治療がフィラリア予防に繋がると期待できるのではないだろうか。

あ

蚊の好みを獣医学として認識することが、新しい予防医療を開発するキッカケとなるかも知れません。

 

参考ページ:

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570023217302064?via%3Dihub


コメントする