日本や欧米に比べて、アフリカ諸国は多くの感染症の脅威に曝されており、今月もコンゴ民主共和国のバ・ズエレ州においてエボラ出血熱が発生したことを厚生労働省が発表して、注意喚起を行っている。このようなアフリカの現状は、zoonosisである狂犬病、レプトスピラ、寄生虫でも同様であり、感染症対策を講じることが急務である。そこで、African Small Companion Animal Network (AFSCAN)という組織は、国境を越えて、アフリカ諸国をまとめる獣医師会を組織化して、アフリカ全土における獣医学関連の研究および教育を発展させ、問題となっている感染症をコントロールするための活動を行っている。
上記の活動の一環として、同組織は「未来の獣医師候補を育成」するために、アフリカの獣医学部生を対象に奨学制度を設けている。この制度は、アフリカの大学が行っている感染症の研究に獣医学部生が参加するプログラムとなっており、優秀な学生にはAFSCANから1000ドル(約11万円)の奨学金が与えられる。
2016年現在のアフリカの一人当たりのGDPは、国により差異はあるが、約230~15000ドル(約25000円~170万円)の間である。仮定として、GDPが約230ドルである南スーダンの学生が1000ドルを手にすることになれば、出身国のGDPの4倍以上の金額となる。また、日本に置き換えると、一人当たりのGDPが約440万円であるから、約1320万円相当の奨学金が贈呈されると考えるとイメージしやすいかも知れない。
このことから、アフリカの獣医学部生にとっての1000ドルは、学費や生活費を賄ったり、将来設計に影響を与える程の金額であり、獣医師への道をバックアップする大きな力となることが、容易に予想できる。今後、経済的理由により獣医師になることを断念する学生が減り、感染症を制御することに従事する獣医師が増え、アフリカで発生した感染症に関するニュースがメディアから激減または消失することに期待したいと思う。

アフリカの感染症が制御されれば、世界の企業、医師団、獣医師団による技術提供がしやすくなり、旅行者も増えることが予想できるため、アフリカ諸国の発展に繋がると思います。
参考ページ:
http://www.afscan.org/index.shtml


