ニュース

イギリスに輸入された犬からブルセラ感染症が発見される

投稿者:武井 昭紘

飛行機や船舶の開発によりヒトや物の往来が盛んとなった現代において、病原体から自国を守る検疫は、感染症を未然に防ぐための重要な役割を担っている。しかし、完全に病原体を制御することは困難であり、清浄国(特定の病原体が一定期間確認されていない状態)に、感染症対策が必須の病原体が侵入してしまうニュースが報道されることがある。そこで、今回はイギリスで発生した事例を記載したいと思う。

ことは、イギリスがレスキュー犬をルーマニアから輸入することから始まった。輸入された犬は、グラスゴー大学の動物病院へと移送され、感染症の検査を実施することになっていた。そして、検査の結果、グラム陰性菌が検出され、血清学的にBrucella canisであると同定された。また、B. canisに感染していた犬は、ブドウ膜炎(両側性)およびリンパ節の腫脹を呈していた。しかし、残念ながら、B. canisはzoonosis(人獣共通感染症)であるため、罹患犬は安楽死されたとのことである。

日本においては、B. canisは感染症法4類に分類されており、「感染したヒト」を診察した医師に届出の義務がある。これに対して、獣医療の分野では、B. canis以外の大動物に感染するブルセラ属菌は法定伝染病であるが、B. canisは法定伝染病および届出(監視)伝染病に該当していない。今日(こんにち)の日本のペット産業では、輸入される動物を完全に絶つことは不可能であると考えられる。イギリスの最終的な処置(安楽死)が、日本の輸入検疫でも増加しないように、B. canisへの対策を検討していくことが重要となってくるかも知れない。

ルーマニアの輸出検疫を厳しくすることで、イギリスでの罹患犬の安楽死は防げたかも知れません。

ルーマニアの輸出検疫を厳しくすることで、イギリスでの罹患犬の安楽死は防げたかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.vettimes.co.uk/news/brucella-canis-found-in-rescue-dog/

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-28.html


コメントする