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米ワシントン州 迷子ペット探す無料AIツールで飼い主の元へ

投稿者:AsaT

米ワシントン州で行方不明になった猫が、AI(人工知能)テクノロジーと人々の親切のおかげで、11日後に家族と再会できたことがわかった。

記事によると、85歳のシャロン・ファーズはその朝起きて初めて、飼い猫のルイとサンダンスがいなくなっているのに気づいた。夫と手分けして家じゅう探したが、見つからない。赤茶色の毛並みがふさふさしたジンジャーメインクーンの2匹は、どうやら窓から抜け出す方法を発見したらしかった。2匹ともこれまで外に出したことはなく、「最悪の気分だった」とファーズは当時を振り返った。

ファーズ夫妻は近所を探し回り、数軒離れた家のエアコン室外機の陰にサンダンスが隠れているのを見つけた。しかし、ルイの姿はどこにもなかった。ルイには消化器系の持病があり、さらに夫妻の暮らす集合住宅の近くにはコヨーテが生息する自然保護区があった。ルイと生きて再会することはできないのではないかと夫妻は危惧した。

ワシントン州南西部の動物愛護協会を訪ねてみたが、施設に保護された猫の中にもルイはいなかった。だが、そこで施設のスタッフがルイの写真とプロフィールを迷子ペット探しの全米データベースに掲載することを提案してくれた。これがルイと再会を果たす糸口となった。

米非営利団体Petco Love(ペットコー・ラブ)が運営するプラットフォーム「Petco Love Lost(ペットコー・ラブ・ロスト)」は、AI画像認識技術を活用している。行方不明のペットの写真をLove Lostにアップロードすると、全米の動物保護施設に保護されたペットの写真や、地域コミュニティーアプリで共有された「近所で見かけた迷子と思しき動物」の写真と瞬時に比較・照合できる。利用料は無料だ。

ファーズ夫妻はすぐにルイを迷子としてLove Lostに登録する一方、娘たちの協力も仰ぎ、毎日近隣を一軒ずつ訪ねて回っては捜索を続けた。その間、相方を失ったサンダンスは飼い主の気持ちを代弁するかのように悲痛な声で鳴き続けていた。

「食べることも眠ることもできなかった。もうボロボロだった」とファーズ。追い打ちをかけるように、詐欺師から電話がかかってきた。地元の動物保護施設のスタッフを名乗り、ルイを保護したが緊急の獣医治療が必要なため、すぐ送金してほしいというのだ。

幸い、Love Lostでこうした手口に関する情報が共有されており、ファーズはピンときた。クレジットカード情報を教える代わりに「今は車の中なので、折り返し電話をする」と答え、相手の名前を尋ねた。それから動物保護施設に確認すると、同名のスタッフは存在せず、やはり詐欺だと判明。詐欺師が施設の電話番号を盗用していたこともわかった。

「Love Lostで詐欺の手口に関する話を読んでいて本当によかった。恐怖のあまり騙されかねなかったから」とファーズは語る。「でも騙されずに済んだ」

ルイが行方不明になってから11日後、ついに目撃情報が上がった。とある動物病院の屋根の上に赤茶色の毛の猫がいるのを見かけた女性が、グーグルで「オレンジ色の迷い猫 ワシントン州リッジフィールド」と検索したところ、一番上に表示されたのがLove Lostに掲載されたルイのプロフィールだったのだ。この女性はすぐさまLove Lostのアプリを通じてファーズに直接連絡をとった。

ファーズ一家は大急ぎで動物病院へ駆けつけた。ルイはすでに屋根から飛び降りて、近くのモータープールに逃げ込んでしまっていたが、キャンピングカーの下に隠れて怯えているのをイワシの缶詰のにおいで誘い出し、ようやく保護できた。

ルイは油まみれで、約1.4kg痩せ、顔には擦り傷があった。だが、命に別状はなかった。「まさに奇跡だ」とファーズは語っている。

Petco Loveのシャノン・クローニン最高技術責任者(CTO)によれば、Love Lostを通じて2021年以降に家族と再会を果たしたペットは17万匹を超える。

「現在は週平均で約2500匹を家族の元に返しており、その数は増え続けている」とクローニンは説明した。「ここ数年ずっと、Love Lostの機能強化を進めている。迷子になったペットとの再会を願ってこのテクノロジーを利用する飼い主や保護施設、地域社会に貢献するため、利用体験と技術の向上に努めている」

クローニンは、ペットが迷子になる前にLove Lostに登録しておくよう飼い主に勧めている。そうすれば、万が一ペットが行方不明になったときにも捜索に時間を取られる心配がないからだ。無料で利用できるLove Lostの中央データベースの究極の目標は、飼い主や迷子ペットの発見者がまず最初にチェックする場所となることだという。

クローニンによると、Love Lostは機械学習モデルを継続的に更新し、迷子ペットや保護ペットの写真照合の高速化・高精度化を図っている。これらのモデルは、地域コミュニティーアプリに投稿された情報との照合や利用者へのアラート送信にも使われており、登録されているペットと一致する可能性のあるデータが新規追加された場合、ユーザーに通知するという。

最近導入した「捜索隊」機能では、インタラクティブなペット捜索チェックリストを作成し、家族や友人、近隣住民と最新情報を共有しつつ、ソーシャルメディアへの投稿、チラシ配布、動物保護施設への確認などを効率よく手分けして行えるようにした。

ルイのような迷子ペットがLove Lostを通じて家族と再会を果たすたびに「舞い上がるほどうれしくなる」とクローニンは語る。「ペットの行方が何日もわからないとき、家族は計り知れない恐怖と不安に苛まれる。私たちのテクノロジーを用いて実現した再会は、いずれもペットと飼い主の生活に目に見える確かな影響を与えている。それこそが私たちの日々の意欲につながっている」

帰ってきたルイは、以前とは別の猫になったようだという。偏食が減り、サンダンスとこれまで以上にくっついて過ごすようになった。最も大きな変化は、愛情の示し方だ。「前はそんなに甘えん坊ではなかった。今では別の猫かと思うほど愛情表現が多くなり、いつも私か夫のそばにいたがる。とてもかわいい」とファーズは語った。

好奇心旺盛な飼い猫がふらりと冒険に出て行方不明になってしまったが、AI(人工知能)テクノロジーと見知らぬ人々の親切のおかげで、11日後に家族と再会できた。これは米ワシントン州で今年5月に起こった実話だ。


https://forbesjapan.com/articles/detail/85597

<2025/11/25  Forbesjapan>

米ワシントン州 迷子ペット探す無料AIツールで飼い主の元へ(写真と記事は関係ありません)

 

 


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