犬や猫の慢性腎臓病を察知する既存のマーカーは、腎臓に一定程度の損傷が生じないと陽性にならないことが知られている。つまり、早期診断・早期治療の観点から、出遅れている印象が否めないのだ。そのため、既存のマーカーよりも早く慢性腎臓病を診断できる、新しいマーカーの開発が常に求められているのである。
冒頭のような背景の中、ヨーロッパの大学らは、①臨床上健康な猫と②IRIS分類のステージ2に属する猫を対象にして、彼らの血清と尿をメタボローム解析にかける研究を行った。なお、同研究では、①と②の相違点を追究するとともに、健康な猫を健康を維持する個体と1年以内に慢性腎臓病(IRISステージ2)を発症する個体に分けて比較している。すると、アミノ酸の一種であるトリプトファンの代謝産物、③3-ヒドロキシキヌレニンがマーカー候補になり得ることが判明したという。具体的には、血清中の③の濃度と尿中の③の濃度の比を用いることで、既存のマーカーよりも6ヶ月早く慢性腎臓病を察知できるとのことだ。
上記のことから、猫の慢性腎臓病の早期診断は今まで以上に進化を遂げる可能性を秘めていると言える。よって、今後、3-ヒドロキシキヌレニンによる診断法が商業化されるとともに、より優れたマーカーの開発も進むことを期待している。

本研究では、統計学的解析に加えて、人工知能による解析も実施されております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40011503/


