肝臓疾患に起因して皮膚病が生じる肝皮膚症候群(①)を患った犬では、血液中のアミノ酸濃度が低下するという。しかし一方で、この現象が「肝皮膚症候群を認めない」慢性肝疾患(②)の犬でも起きるのか、そして、低下が起きるとするならば①と②に伴う低アミノ酸血症の程度に差があるのかについては不明なのだ。果たして、差はあるのか。これは、両疾患を鑑別するにあたり、非常に重要なことである。
冒頭のような背景の中、タフツ大学らは、①(8例)または②(32例)と診断された犬の血液を液体クロマトグラフィーで解析する研究を行った。すると、②に比べて①の犬では、血漿中アミノ酸濃度が有意に低いことが判明したという。また、グルタミン、グリシン、シトルリン、アルギニン、プロリンの値が参照値の30%未満に低下していることを判断基準にすると、①と②を感度・特異度100%で鑑別できることも分かったとのことである。
上記のことから、前述した5種類のアミノ酸は、①と②を鑑別する診断マーカーになり得ることが窺える。よって、今後、これらのアミノ酸濃度の測定を組み込んだ診断アルゴリズムが作成され、犬の皮膚疾患および肝臓疾患に関する診療が効率化されることを期待している。

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②には肝臓の空胞変性、慢性肝炎、先天性肝疾患が含まれております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39831315/


