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UPCが0.2~0.4を示す7歳以上の猫における慢性腎臓病の発症リスクを調べた研究

投稿者:武井 昭紘

尿中にタンパク質が出現すること、即ちタンパク尿は、犬猫が慢性腎臓病を発症することを警戒するキッカケになるとされている。そこで、疑問が浮かぶ。実際のところ、このタンパク尿と慢性腎臓病はどれ程関連しているのだろうか。そのリスクを数値化することはできるだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ベルギーの大学らは、臨床上健康な7歳以上の猫200余りを対象にして、彼らの臨床検査データを解析する研究を行った。なお、同研究では、猫を①尿中タンパク: クレアチニン比(UPC)が0.2未満のグループと②UPCが0.2〜0.4(腎臓病に起因したタンパク尿と判定されるか否かのボーダーラインと定義)のグループの2つに分けており、6ヶ月ごとに臨床検査データを取得し、2年間追跡している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆UPCが0.2~0.4を示す7歳以上の猫における慢性腎臓病の発症リスク◆
・①は150例、②は51例で構成された
・①に比べて②では2年以内にIRIS分類のステージ2 以上の慢性腎臓病と診断される可能性が有意に高かった
・①に比べて②では2年以内に腎性タンパク尿と判定される可能性が有意に高かった
・①に比べて②では2年以内に死亡する可能性が有意に高かった
・UPCが0.2〜0.4であることは6ヶ月後に慢性腎臓病と診断されるリスクを2.5倍上昇させた

 

上記のことから、UPCが0.2~0.4の猫は将来的に慢性腎臓病になるリスクを抱え、最悪の場合、2年以内に死亡する可能性が高まることが窺える。よって、条件に合致する猫を診察する際は、定期的なモニタリング・健康診断をオーナーに薦めることが望ましいと思われる。

本研究では、追跡開始時点でのIRIS分類がステージ 1(1.035未満の尿比重が持続、SDMAが14μg/dLを超える)であることで4.2倍、血清中CREが1.6mg/dL以上であることで2.6倍、年齢が高いことで1.3倍、6ヶ月後に慢性腎臓病と診断される可能性が高まることも分かっております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39696777/


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