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犬の卵巣提索に対する局所麻酔とマッサージの鎮痛効果を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

至って健康な犬猫に実施する不妊・去勢手術では、彼らが受ける痛みを最小限にすることが求められる。そのため、世界各地の獣医師が持てる知識と経験によって、理想的な麻酔プロトコルを追究するのだ。そこで、今回は、ギリシャの大学らの研究を紹介したい。同大学らのアイデア(研究結果)が自身のプロトコルに組み込めると考える先生方、特に新人の獣医師は、是非臨床現場で実践して頂きたい。なお、詳細は以下の通りである。

 

◆犬の卵巣提索に対する局所麻酔とマッサージの鎮痛効果◆
・腹部正中切開で犬38匹に不妊手術を施した
・次に左側の卵巣の位置を確認した
・この時点で卵巣は牽引しない
・卵巣提索を特定して①2%リドカイン0.5mLまたは②生理食塩水5mLで洗浄した
・続いて1分間卵巣提索をマッサージした
・その後1分間何もせず待機した
・この処置を終えてから卵巣子宮全摘出術を行った
・卵巣提索は結紮している
・術者は1名のみである
・心拍数、呼吸数、平均動脈圧の何れかが30%増加した場合にフェンタニルを使用した(痛みがコントロールできていない)
・①と②のグループでフェンタニルに必要性は有意に異なった
・①では約11%の症例でフェンタニルが必要であった
・②では約89%の症例で必要であった

 

上記のことから、卵巣提索をリドカインで洗浄しマッサージをする操作には鎮静効果があると言える。よって、不妊手術に臨む犬の麻酔で心拍数、呼吸数、平均動脈圧が上昇してしまう獣医師は、本研究の処置を試してみることをお薦めする。

本研究では、デクスメデトミジン(5μg/kg)、ブプレノルフィン(20μg/kg)、メロキシカム(0.2mg/kg)を前投与して、プロポフォールで導入し、イソフルランで維持しております。また、フェンタニルの用量は2μg/kgです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39682487/


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