15歳齢の猫(不妊メス)が腹部の超音波検査を受けた。すると、肝臓に異常な所見があることが発覚した。方形葉の周辺に不均一な低エコー源性の結節が存在していたのだ。そこで、その正体を知るべくFNAが行われた。結果は悪性腫瘍。転移か原発か。それが問題となった。
CT検査を経て、肝葉切除術が適応された。切除した組織は病理検査に回された。結果は、甲状腺癌。チログロブリン陽性の組織であると判明した。甲状腺の腫瘍が肝臓に転移した。そう推察された。しかし、画像診断によって甲状腺の腫瘍は否定された。また、肝臓以外の臓器に腫瘍が無いことも確認された。
症例を発表したイタリアの動物病院らは、肝臓にあった異所性の甲状腺組織が癌化したと結論付けた。異所性甲状腺組織自体が稀である上に、それが癌化した珍しい症例だと述べる。そして、これは過去に報告されたことのない症例だと訴える。もしも、万が一、類似の病態を持つ猫に遭遇した場合は、本症例を参考にして頂けると幸いである。

手術後の経過は良好だとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39649334/


