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アメリカの一次診療施設を訪れた600万匹以上の犬猫の肥満とライフステージ

投稿者:武井 昭紘

多くの一般家庭で犬猫が飼育される現代において、彼らの肥満(体重管理)は非常に大きな問題となっている。なぜならば、肥満は様々な病気の元凶になるからだ。彼らは如何にして肥満に陥ってしまうのだろうか。そのリスクを上げる要因とは何であろか。多角的な視点から、犬猫の肥満を分析する必要があると思われる。

 

冒頭のような背景の中、イギリスの大学およびロイヤルカナン社らは、アメリカで大規模な動物病院グループを運営しているバンフィールドが所有する診療記録を基に、犬猫の肥満と彼らのライフステージとの関連性を調べる研究を行った。すると、49万匹以上の犬、13万匹以上の猫のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。なお、同研究では9段階のBCSで6~7を①太りすぎ、8~9を②肥満と定義している。

◆犬猫の①②とライフステージ◆
・成長期初期の犬における①の有病率は0.9%、②の有病率は0%であった
・成長期後期の犬では①が9.5%、②が0.3%であった
・若齢の成犬(成長が止まる2歳頃まで)では①が24.4%、②が1.9%であった
・成犬(成犬である年数の半分が経過するまで)では①44.5%、②が8.4%であった
・中年齢の犬では①が50.1%、②が12.6%であった
・高齢の犬では①が46.4%、②が11.3%であった
・成長期初期の猫における①の有病率は0.8%、②の有病率は0%であった
・成長期後期では①が10.7%、②が0.4%であった
・若齢の成犬(成長が止まる2歳頃まで)では①が36.2%、②が3.6%であった
・成猫(成犬である年数の半分が経過するまで)では①47.2%、②が13.9%であった
・中年齢の猫では①が44.8%、②が21.7%であった
・高齢の猫では①が30.0%、②が12.6%であった
・2020年~2023年のデータにおいて2020年~2022年の間で有病率が増加した
・2023年に入ると有病率は減少した
・「成長期に①や②であること」は成犬で①や②である可能性を1.85倍に高めた
・「成長期に①や②であること」は成猫で①や②である可能性を1.52倍に高めた

 

上記のことから、①や②は成長期を終えた大人の犬猫で一般的であることが窺える。また、成長期に①や②になってしまうと、大人になっても①や②である可能性が高いことも分かる。よって、今後、成長期の犬猫の体重管理に関する情報をオーナーに「確実に」啓蒙する方法について議論され、①や②を予防する意識が高まることを期待している。

成長期の犬猫の体重チェックには、グロースチャートを使用すると良いかも知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39644829/


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