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心臓病・高血圧に対する治療薬ACEiが犬の腎臓に及ぼす影響に関する研究

投稿者:武井 昭紘

心臓病や高血圧の治療に使用されるアンジオテンシン変換酵素阻害薬(angiotensin-converting enzyme inhibitors、ACEi)は、血圧を降下させる効果を有している。これは、言わずもがなメリットである。しかし、ここにはデメリットが隠れているとされている。それは、投薬開始まもなくに起きる腎機能の低下である。血圧が下がることに伴って、腎臓への血流量も落ちると言われているのだ。では実際のところ、この腎機能の低下は、どれ程深刻なのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、韓国の大学および動物病院らは、心臓病、タンパク尿、全身性高血圧の治療のためにACEiを投与された犬を対象にして、彼らの腎機能を評価する研究を行った。なお、同研究ではTP、ALB、BUN、CRE、SDMA、GLU、TG、TCHO、電解質が測定されている。また、腎機能の低下は「CREが0.3mg/dL以上増加すること」と定義されている。すると、150例を超えるデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆ACEiを投与された犬の腎機能◆
・17%(27例)の症例で腎機能の低下が認められた
・17例はグレード1に分類された
・2例はグレード2に分類された
・8例はグレード3に分類された
・腎機能の低下に関与するファクターは①フロセミドの併用(オッズ約5倍)と②初診時のBUN上昇(約3.2倍)であった

 

上記のことから、ACEiの投与に伴う腎機能の低下は稀で、且つ、軽度の可能性が高いことが窺える。しかし、一方で、①や②の条件に合致すると低下のリスクが高まることも分かる。よって、該当症例におけるACEiの投与は慎重に検討し、綿密なモニタリングを実施することをお薦めする。

腎機能低下のグレードは、CREが1.6 mg/dL以下で1、1.7~2.5mg/dLで2、2.6~5.0mg/dLで3に分類されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39564763/


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